ハリバンアワード
便利堂が継承する写真古典技法 “コロタイプ”、その希少な表現力で作品をより上質のものへ。
便利堂コロタイプ工房が主催するハリバンアワードは、約160年の歴史を持つ古典技法と近代の主流であるデジタル写真技術を融合させる試みです。プロ、アマ問わず、国内外で写真制作を志すたくさんの方からの応募をお待ちしております。
千年以上にわたり日本の文化や芸術の中心地として栄えてきた京都は、いまも多くの職人技を守り続ける唯一無二の都市です。2019年の秋、ハリバンアワードのグランプリ受賞者は世界的文化都市京都に招聘されます。京都への交通費や宿泊費は主催者が負担いたします。
京都滞在中、グランプリ受賞者は便利堂コロタイプ工房のマスタープリンターと共に作業をします。さまざまな専門知識と技術を持つ職人たちと密接に関わりながら、作家は作品が完成するまでの一連の過程に個性を生かし関わる貴重な機会を得ることができます。次年度の展覧会に向けて、受賞作品の内8点を美術館に収められる品質のコロタイププリントとして仕上げます。
グランプリ受賞者のコロタイププリントは、受賞記念として2020年の4月に開催される個展で披露されます。
全ての受賞者の作品は公式カタログに掲載され、京都の老舗による手製本の和綴じによって仕上げられます。内容は全てコロタイプでプリントされ、全ての受賞者に謹呈されます。
● グランプリ(1名)
● 審査員賞(4名)
● 工房賞(1名)
● 入選(若干名)
コロタイプ(Collotype)は、写真技術の幕開けから程ない約160年前に、フランスで発明された〈オルタナティブプリント(古典印画技法)〉のひとつです。日本には明治初期にアメリカから小川一真によって輸入されました。その滑らかで精緻な連続階調表現と高い耐久性によって、文化財保護の観点から展示や調査用の複製制作に用いられてきました。
便利堂は明治20年(1887)に京都に貸本屋として創業し、今では老舗の美術印刷会社へと発展しました。地元に伝わる表具、経師、紙工房とともに京都の職人技と伝統を守り、そして、数千の重要な美術品の複製制作をとおして文化財の保護に貢献しています。 世界をみてもコロタイプを継承する工房はとても少なく、今日の芸術家にコロタイプ工房のマスタープリンターと共に唯一無二の作品を制作する機会を提供すると同時に、この希少な技術を伝え続けます。
名前: 石井孝之
職業: ギャラリスト
略歴: 1994年 東京にタカ・イシイギャラリーを開廊。四半世紀にわたり日本を代表する写真家や画家、新進気鋭の日本人作家の展覧会を開催する。2011年2月、東京に写真作品を専門に扱うタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムを開廊し、2018年11月には新しいコンセプトのリテールショップ、ショップ タカ・イシイギャラリーを香港に開廊。代官山フォトフェアを運営する一般社団法人日本芸術写真協会の代表理事を務める。
名前: アネマリー・ゼゾフ & マルテイン・ヴァン・ピーターソン
職業: ギャラリスト
略歴: アネマリー・ゼゾフとマーティン・ファン・ピーターソンは、アントワープ(ベルギー)にあるIBASHOギャラリーの創設者兼ディレクターを務める。IBASHOギャラリーは、日本の有名写真家や新進の日本写真家、また日本で制作したことのある外国人写真家を紹介するギャラリーとして、2015年3月にオープンし、以降、グループ展や個展を定期的に開催し、Paris Photo、AIPAD、Photo London、Unseenなどのアートフェアに参加している。
名前: 姫野希美
職業: 出版者
略歴: 2006年に赤々舎を設立。写真集や現代美術をテーマに扱う美術書を中心に、180冊以上の書籍を刊行する。作家と一対一の対話に基づき本を作ることに注力し、一貫した個々へのアプローチの結果として、ブックデザイン、印刷、製本にかかる細部への慎重な選択がされている。結果、多彩で大きな注目を集める本が多数出版されている。
名前: ミリアム・ クーイマン
職業: キュレーター
略歴: ミリアム・クーイマンは、美術史家兼キュレーターとしてアムステルダムにあるFoam写真美術館に勤務。これまで、Ai Weiwei 『#SafePassage』、Paul Mpagi Sepuya『Double Enclosure』、横田大輔『Matter』、Awoiska van der Molen『Blanco』、また、巡回展ともなった2015年と2016年の『Foam Talent』展を手がける。クーイマンは、以前はアムステルダムのStedelijk Museum(アムステルダム市立美術館)で学芸員育成プログラムに参加し、Foam Magazineの定期的な寄稿者でもある。
いいえ。一人につき1回の応募といたします。
シリーズでという決まりはありません。審査員がどのように判断するかはわかりませんが、シリーズでの応募が審査員に強い印象を残すのではないかと考えます。
基本的にどのようなテーマでも応募可能ですが、あからさまに公序良俗に反するものはお控えください。
オンラインの応募フォームから申請いただきますので、デジタル画像に限らせていただきます。
グランプリ受賞者は、2019年9月中旬から10月初旬の2週間、京都に招聘され便利堂コロタイプ工房で作業をします。(具体的な日程は、ご相談の上決定します)。制作したコロタイププリントは、京都国際写真フェスティバルKYOTOGRAPHIE開催中の4月から5月の間に、京都市内に会場をお借りし展示されます。展覧会期間中の作家の渡航費や宿泊費は作家負担とします。展覧会の詳細や日程は後日発表いたします。